テフラ(火山灰)はどんなもの?

テフラとは?

テフラ層(茨城県日立市 Kob-66テフラ層)

テフラという言葉ですが、みなさんは聞いたことがない言葉かもしれません。テフラというのは,火山から吹き出したマグマが細かく固まって積もったものをまとめたものです。みなさんが一度は聞いたことのあると思う火山灰というものと似ていて、テフラ=広い意味での火山灰です。

このサイトでは、火山灰のかわりにテフラという言葉を使っています。粒の大きさに関係なく火山灰のようなものを指すときに使う言葉なんだなぁと覚えておいてください。詳しくはこのページの下で説明します。


テフラ層の特徴

テフラは火山噴火によって一気に広い範囲へ広がります。そして様々なところに積もると、テフラ層として地層の中に残されることになります。テフラ層は普通の泥や砂の層に比べると比較的目立ちやすいので、離れた露頭で同じ地層を追いかけるために使われます。このように同じ地層を追いかけるために使う地層のことを鍵層(かぎそう)といいます。テフラ層は鍵層の代表的な例です。

テフラ層はどんなに離れたところ(たとえば九州と北海道など)で見つかっても、それが同じものだということがわかれば、鍵層として使うことができます。実際にこのようなテフラ層も日本には存在します。このように離れた場所にあるテフラ層が同じものだということを、専門的な言葉ではテフラ層を対比(たいひ)すると言います。

広い範囲にわたってテフラ層を対比していくと、離れていても同じ時代につくられた地層がどの辺にあたるのかということがわかるのです。そのため、地質調査ではもちろんのこと、遺跡発掘の現場などでもテフラ層が丹念に調べられ、時代を知るための情報として使われています。

このほかにも、テフラに含まれる粒子の性質をじっくりと調べることにより、そのテフラを噴出した火山がどのようなものであったかや、テフラ層の厚さを広い範囲にわたって調べることによりどこに火山があったのかなども知ることができます。

このように、テフラを調べると過去のことをいろいろと知ることができるのです。みなさんも近くにあるテフラを調べてみるとおもしろいことがわかると思いますよ。テフラの調べ方については、まず『テフラ観察の準備をしよう』を読んで、観察の準備からはじめてみるとよいでしょう。

粒の大きさによるテフラの分類

テフラは粒の大きさによって名前が付いています。火山灰は、テフラのうち粒の直径が2mm以下のものを指します。なお、直径が2mm064mmのものは火山礫(かざんれき)、64mmよりも大きいものは火山岩塊(かざんがんかい)といいます。テフラは、これらのものをまとめていうときに便利な言葉です。